〜 はじまりの日 〜
前から猫は飼いたいな、と思っていた。
結婚して家のことが落ち着いたら考えよう・・・
なんとなく二人の間でそんな暗黙の了解みたいなものがあり
半年が過ぎ、そして新年を迎えた。
猫、飼ってみる?
他愛もない会話の中からついにそんな話になった。
家計的にはまあ飼って飼えないことはないか・・・というところだった。
きっかけはネットの掲示板だった。
里親募集のサイトには
山ほど引き取り手のない猫が掲載されていた。
その中の1匹、白足とチャーミングな丸顔に惹かれて
意を決してコンタクトをとってみた。
大阪の鶴見緑地には多くの野良猫がいる。
それらのネコは毎日のように人から虐待を受け、
もうこれまでに何十匹も無残に殺されているという。
今回コンタクトをとったのは
そんな公園猫の保護活動をしている人だった
もっと人なつっこい飼いやすい猫もいるが
僕たちが希望した猫はとくに人見知りの激しい
臆病でおとなしい猫ということだった。
でも、もらってくれると本当にうれしい、
そう言われてぼくたちはその猫を飼うことに決めた。
生後半年のメス猫だった。
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