6/22(日) 六甲全山縦走
『遙かなるゴール』

〜六甲全山縦走〜
須磨浦公園から宝塚まで六甲の山々を越える。
全長56kmにも及ぶコース。
毎年11月に大会があり、
足に自信のある強者達が12〜14時間かけてレースを行う。

まさかそんなコースに本当に挑戦することになるとは
夢にも思わなかった。
羽生以外は。

羽生は本気だった。
ずっと狙っていたのだ。

きっと彼は普段口にしているモンブランやキリマンジャロ、エベレストでさえも、
きっと本気で狙っているのだ。
自らの無限の可能性を信じているのだ。

羽生・・・
やはり彼こそは本物の山屋。

誰も彼の純粋な想いを踏みにじることはできない。
僕と青木はその”想い”にのった。


結果を言えば、
この挑戦は山桜史上初となる敗退に終わる。
条件は完璧だった。
力不足。ただそれだけ。


激走15時間。その記録をここに。

六甲全山縦走(逆走)コースタイム
05:30 宝塚 塩尾寺スタート
06:30 大平山    (20分休憩)
08:00 六甲最高峰 (20分休憩)
09:00 六甲展望台 (30分休憩)
11:30 摩耶山    (30分昼食)
12:50 川原      (15分休憩)
13:30 大竜寺
14:00 鍋蓋山
15:00 菊水山     (20分休憩) ※膝壊れる
16:00 ひよどりごえ駅(20分休憩)
18:00 高取山     (10分休憩)
18:30 妙法寺     新田リタイア
20:30 須磨アルプス 羽生&青木リタイア



朝3:30起床。

いつもと違い、この日は睡眠もしっかりとれた。
天気は薄曇り。
蒸し暑さはなく、むしろ涼しいほど。
この日は1年で最も昼が長い夏至。
条件としてはベストだ。

僕は、絶対に自分が足を引っ張りたくないという思いで、
ノースリーブシャツに短パン、散髪と、極限まで軽量化を施した。
万全の体制のはずだった。

電車の時間の関係で、通常とは逆の宝塚から須磨を目指す。
出足は好調。
大平山まで一般タイムの約半分の時間で到着。

六甲山頂に着いた頃から雨が降り始める。
しかし、苦にはならない。
体温を冷やしてくれる。
心地よい。

その後も飛ばしすぎ?と言えるぐらいのペースで
順調に進む。

摩耶山。
行程の約半分。
まだ体力的にも疲れは無く、
誰もがこれは完走は間違いないと思っていた。

が、やはりそう甘くはない。

普段運動をしていない僕の膝は、
知らないうちに限界にきていた。
登り下りを繰り返すうちに、徐々に左ひざの間接がずれ始め、
菊水山への急登にさしかかったところで痛みを誘発。
山頂に到着し、休憩して立ち上がろうとした時に激痛が生じる。

そこからの下りは、左ひざは痛みで曲げられない。
右足1本で下る。

このペースでは完走が不可能なのは明らかだ。
が、まだ15時。
すぐリタイアはしたくない。
行けるところまで行って、後は2人に託そうと決めた。

続く高取山への登り。
一般タイムの倍以上の時間をかけて通過。
残りコースタイムを計算し、
高取山下山後、須磨アルプスに入る手前でリタイア。

そのまま羽生と青木は最後の須磨アルプスへ突入。
しかし、僕が時間を遅らせたせいで、既に辺りは真っ暗。
何度も道を間違え、精神的に限界にきたらしく、
2人ともリタイアを決断。

タクシーで合流。
帰路に着く。

振り返ってみれば
膝を痛めたのも力不足。
最後2人がゴールへ辿り着けなかったのも力不足。
全てが力不足だった気がする。

ローマは1日にして成らず。
山屋もまたしかり・・・
そのことを強く感じた山行となった。

一方で、今回とは逆向き、つまり正コースなら完走できる自信もある。
いつか膝を治して挑戦したい。


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